第74章

春は焦ったように頭を掻きむしる。

「でも、あれは藤原家の最高機密だぞ。あいつ一人で大丈夫なのか?」

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、悠のスマホが狂ったように震え出した。

和也からだ。

「繋がったぞ」

和也の声には、極度の疲労と凄みが滲んでいた。

「スタビライザーは本家の地下金庫の最下層にある。だが、葵の認証コードが必要だ」

悠は勢いよく立ち上がった。

「彼女はまだ目を覚ましていない」

「なら強制アクセスしろ!」和也が低く吠える。「藤原武光の犬どもが引き返してきている。長くはもたない!」

春は即座にキーボードを凄まじい速度で叩き始めた。

「悠、葵の指をセンサーに押...

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